国語準備室へと入ったらこの前と同じ位置に座る。



「あ、の?」

「俺のこと、嫌いになった?」



は?
な、に…言ってるの?

嫌いになった? って。それ、先生がいってもいいの?


まだ好きでいてもいいって言ってるようなもんだよ?




「全然好きですけど。諦めようと思っても諦められないもん」




私がそう告げると、先生はホッとして微笑んだ。




「なんで…そんなこと聞くんですか……」

「俺、気づいたんだ。風音が、俺の中にいること。凛がいて、お前がいる」

「…は?」

「俺はお前のことが気になる」




……でも、それって…




「私と凛さんを重ねて見てるんじゃ…」

「……そうかもな」




ほら。やっぱり。私を見て気になってるわけじゃないんだ。


確かに。確かに私は以前、それでもいいって言った。
でも、……




「凛と似てるって言ったけど…似てるのは容姿と話し方だけ。そのテンションはあんまり似てないかもな。お前は…」




先生はそこで口を閉じた。



え、なんでそこで口を閉じるの?