1年生の春休み。入学式の1日前。
中学時代の友達と遊んだ帰りだった。
帰宅ラッシュの満員電車。
私の周りには男の人ばかり。
ふと、違和感を感じた。
手が、当たってる?
そっと視線を下ろせば目に入る手。
その手は私の後ろへと回り、下半身に触れる。
怖い。怖い怖い怖い。
鞄を胸の前でぎゅっと握り締め、目を瞑った。
「っ!」
「大丈夫?」
一瞬だった。
駅につき、扉が開いた。
大丈夫、そう問いかけてくれた男の人は私の手を引いてホームへと連れ出してくれた。
「あ、あの…ありがとうございます」
「怖かったでしょ」
見たことある、そう思った。
男の人の顔をよく見ると高校入試の時に門に立っていた先生だった。
でも男の人が、私が明日から自分のところの生徒になるなんて知るわけがなくて。
「もう、満員電車には乗らない方がいい。もし乗るなら女性専用車両に乗ればいい」
そう、優しく微笑みながら頬に手を伸ばした。
私の目からはいつの間にか涙が零れていた。
そう。怖かった。泣くほど怖かった。
でも、助けてくれた。この人は、私のヒーローだ。本気でそう思った。
中学時代の友達と遊んだ帰りだった。
帰宅ラッシュの満員電車。
私の周りには男の人ばかり。
ふと、違和感を感じた。
手が、当たってる?
そっと視線を下ろせば目に入る手。
その手は私の後ろへと回り、下半身に触れる。
怖い。怖い怖い怖い。
鞄を胸の前でぎゅっと握り締め、目を瞑った。
「っ!」
「大丈夫?」
一瞬だった。
駅につき、扉が開いた。
大丈夫、そう問いかけてくれた男の人は私の手を引いてホームへと連れ出してくれた。
「あ、あの…ありがとうございます」
「怖かったでしょ」
見たことある、そう思った。
男の人の顔をよく見ると高校入試の時に門に立っていた先生だった。
でも男の人が、私が明日から自分のところの生徒になるなんて知るわけがなくて。
「もう、満員電車には乗らない方がいい。もし乗るなら女性専用車両に乗ればいい」
そう、優しく微笑みながら頬に手を伸ばした。
私の目からはいつの間にか涙が零れていた。
そう。怖かった。泣くほど怖かった。
でも、助けてくれた。この人は、私のヒーローだ。本気でそう思った。