「もう、誰も失いたくない…だから、」

「先生」




ごめんね。先生。
私って、ほんとに最低。
嫌ってもいいよ。




「それは逃げ、だよ」

「……」

「先生はもう人を好きにならないの? 凛さんに悪いとは思っても、凛さんだけを思い続けることは…そうとうだよ?」




傷ついている先生を、もっと傷つける。
ズタズタにしてしまう。




「誰かを好きになって、凛さんを忘れろとまで言わないけど…凛さんに囚われないで、凛さんのとのことを思い出にしなきゃ」

「でも、」

「私を使って」




いいんだ。
私を使えばいいじゃない。


私は先生が好きだから。先生の役に立てるならなんだってするから。

どんなにツラくても、先生のそばにいれるなら。



私は、いなくならないから。




「…っ」

「先生、気づいてる? 私、入学前に先生とあったことあるの」




あのときから、私の心は先生でいっぱいだ。