あなたが私に堕ちるまで【完】


「先生って彼女いるの?」



どうせなら、聞けばいいと思った。
思えばこの浅はかな考えがいけなかったんだ。



「彼女なんて……っいません」

「じゃあ、」

「作る気だってない! 出てってくれ!!」



私は先生に突き飛ばされ、準備室の外へ尻餅をついた。

とっても滑稽な姿。


私はポカンとしたまま、先生を見上げる。


口調は荒ぶり、激しく。
その瞳は鋭く。いつもの先生からは、あのときの先生からは、想像も出来ないものだった。