ふと男のほうに顔を向けると 私の目の前にいる男は、めちゃくちゃ目をまんまるにしていた。 ぇっ…死んでる? 動いてないよー…? 「ぁの…変……でした?へたくそでした?」 重苦しい空気。 たえきれなくなった。 どうせ思ってるよね。 へたくそな歌だって。 助けてあげたから、調子乗ったって思われてる。 「ー…」 男は、まだ唖然としている。 ー…。 「私…、帰りますねっ…。すみませんでしたっー…っ」 ダっ…。 バタバタ。 私は、急いで部屋を出て行った。