聞き覚えのある声。

振り向くと、ワンボックスの車から神山君が顔をだしていた。



「早くきて!!マスコミにバレる!!」



でも、私の足は動かない。
代わりに、涙が止まることなく頬を伝う。



神山君は、そんな私の腕をひいて車にのせ、『だして!』と言った。
私は目的地もわからずに、車は動き始めた。