「愛ー…っ!!」


私を呼ぶこの声は…

「うるさいなー。美紀。」


井ノ原 美紀。
クラスが一緒で、唯一私が心を許している友達。

「ひっどーい!せっかく今月号のミュンミュン持ってきてあげたのにー。」

あからさまに凹みましたって態度の美紀。ミュンミュンとは、女もののオシャレ雑誌。


「ねぇ…。私、そーゆー雑誌よりも音楽系の雑誌のが好きなんだけど?…知ってるくせに。」

「はいはい。それより、ここのページ見て!!」

「え?」