歌姫~♂王子と姫♀のLast love~『完』

side、優



あれは本当に愛かーー…?




俺が見たのは、緩く巻いた髪。そして軽くメイクまでしていて、ゆるふわのビタミンカラーのワンピースを着た綺麗な愛だった。

いつもはジーパンに気取ってないTシャツ姿の愛か、制服姿の時しか見ていない。

出会った日は、実は顔しか見ていなかった。


だから、凄く新鮮で、綺麗で、他の奴らに見せたくなくて。
それでも俺は愛に見とれてしまっていて、声をかけることができなかった。




ぷっー…


そんな俺は、愛の吹き出した笑いで我に返った。



ー…俺…ありえねー



「後で覚えとけよ。」

俺は、愛に八つ当たりをして飛び立つ準備を始めた。