「…ダルい。」


やってきました。
この憂鬱な朝。
でも、今日転校することで嫌がらせわ受けなくなるから嬉しいはずなのに、なんか喜べない自分がいた。


「美紀ぃ…」


重たい瞼。
私の親友は美紀だけなのに。


あれだけ文句を言われたのに、仲直りしたい自分がいるのは確かで、それがまた私の気分を下げさせた。


朝なのに暗い階段を下りると、まだ横になってるお母さんが居た。

「…お母さん、パン置いとくから勝手に食べてね。いってきます。」



返事はないのはいつも通り。
でも、今日は『いってらっしゃい』って言ってほしかった。