この人たちも焼き鳥とか食べるのかな。

シュッとした知的なイケメンたちが安居酒屋でホッピーを飲みながら焼き鳥を頬張る姿は想像しずらい。

そんな事を考えているうちにビールはいつの間にやら白ワインに代わり、すでに三杯目のおかわりをもらうところだった。

「すみません、遅くなりました」

フワリと清涼感のあるコロンが香る。思わず甘く響く声の方に振り向いた。

「急な仕事がはいってしまって」

長身の男性が颯爽と登場する。

短髪の黒髪にすらりと通った鼻筋。大きな瞳には知性が宿り、落ち着いた物腰が聡明さを感じさせる。

デニムのシャツに細身のパンツを合わせカーキのジャケットをはおったラフな着こなしなのに、気品すら漂っている。

お…王子さまだ。リアルの王子さま。

目があった瞬間に私は石のようにビシりと固まった。

よほど間抜け面をしていたのだろうか、王子は私を見た瞬間に「あ…」と小さく声を漏らす。

「もしかして、みわちゃん?」

…そしてまさかの台詞。