歳の割には初心な私の反応に、切れ長の彼は目元を綻ばせた。

「長谷部大和(はせべやまと)です。みわこちゃんか。よろしくね」

クールな印象だったけど、笑うととても優しそう。

思わず俯いて頬を赤く染める。

「ひとりが遅れているんだけど、いい男だから楽しみにしててよね」

そう言って長谷部さんはウィンクする。気障だけどイケメンなので様になっている。

「うそー!楽しみだねぇ!美羽子」

隣に座った優香がはしゃぎながら言う。

私は緊張をほぐそうと運ばれてきたビールに口づける。

美味しそうなお料理がテーブルの上に並んでいるけれど、イケメンだらけで緊張してとても食べる気になんてならない。

聞けば、皆さま誰もが知っている某外資系IT企業にお務めだとか。

会社名を聞くと、私のスマートフォンにもそこのアプリがインストールされているほど大手の企業だった。

スーツではなく服装もカジュアルで派遣先の電気メーカーで働いているくたびれたスーツを着たお腹の出たおじ様たちとは大違いだ。