そんな格差を感じながらインターフォンを鳴らす。
暫くすると『はい』と品の良い女性の声で返答があった。きっとお隣のおばさんだ。
「こんにちは、大槻です。お渡ししたいものがあるのですが」
『あら、もしかしてみわちゃん?』
おばさんの声が一気に弾む。
「はい、お久しぶりです」
『中に入って待ってて。すぐ行くから』
お邪魔します、と言い終わらないうちにインターフォンがガチャリと切れた。
きっと珍しい来客に慌てているのだろう。
言われた通り外門の木戸開けて敷地内へと入って行く。
玄関へと続く石畳の路地の両サイドは、手入れの行き届いた庭園になっている。
大きな銀杏の木が昔と変わらぬ姿で佇んでいてふと懐かしい気分になる。
よくあの木の下で遊んだっけ。
玄関の前まで来ると、紙袋を片手に脱力し休めのポーズをしていると中から足音が聞こえてきた。
慌てて背筋をピンと伸ばす。
カラコロと小気味よい音を立てて、玄関の引戸がゆっくり開く。
「お久しぶりですー!美羽子で…」
愛想よく挨拶したものの、想定外の出来事に私は張り付いた笑みのまま絶句する
暫くすると『はい』と品の良い女性の声で返答があった。きっとお隣のおばさんだ。
「こんにちは、大槻です。お渡ししたいものがあるのですが」
『あら、もしかしてみわちゃん?』
おばさんの声が一気に弾む。
「はい、お久しぶりです」
『中に入って待ってて。すぐ行くから』
お邪魔します、と言い終わらないうちにインターフォンがガチャリと切れた。
きっと珍しい来客に慌てているのだろう。
言われた通り外門の木戸開けて敷地内へと入って行く。
玄関へと続く石畳の路地の両サイドは、手入れの行き届いた庭園になっている。
大きな銀杏の木が昔と変わらぬ姿で佇んでいてふと懐かしい気分になる。
よくあの木の下で遊んだっけ。
玄関の前まで来ると、紙袋を片手に脱力し休めのポーズをしていると中から足音が聞こえてきた。
慌てて背筋をピンと伸ばす。
カラコロと小気味よい音を立てて、玄関の引戸がゆっくり開く。
「お久しぶりですー!美羽子で…」
愛想よく挨拶したものの、想定外の出来事に私は張り付いた笑みのまま絶句する

