期待に胸を膨らませて裏路地にある一軒家のお洒落なイタリアンのお店に到着する。

店内は一面がガラス張りになっていて、天井が高く広々としている。

カウンター席とソファー席、テーブル席がそれぞれあり、白を基調としたインテリアでまとめられていてシックな雰囲気だ。

お店のチョイスからして今日は期待できるかも。

可愛らしい若いウェイターさんに席へ案内してもらうと、友人の優花が右手を大きくあげて手招きする。

「美羽子!」

今日の優花は長い髪を緩くアップに結い上げている。大振りのリングピアスがネイビーのシックなワンピースによく映えている。

男性三人、女性は私を含めて四人とメンバーはほぼ揃っているようだ。

私は引き攣った笑みで一礼すると、そそくさとテーブルの一番端の席に移動して腰を下ろす。

向かいは空席だが、おしぼりと取り皿が用意されていた。どうやらまだ一名来ていないらしい。

「彼女、名前は?」

はす向かいの男性が気を使って話しかけてくれた。

流行りのツーブロックの髪型に涼しげな目元。文句なしの美形だ。

さすが優香。今回のメンツもレベルが高い。

「大槻美羽子(おおつきみわこ)です」緊張してはにかみながら答える。