目を開けると、白い空間が一面に広がっていた。


それが天井だとわかりハッとする。



……どう、なったんだ?

俺ら……。



右足に疼痛を感じ、今までの出来事を一瞬にして思い出す。


勢いで身体を起こそうとすると、思うように身体の自由がきかなかった。


気持ちだけが先走る。



「……気付いたか?」


動くに動けないでいると、右側から良平の声が聞こえた。


「良平、お前、大丈夫か?」


「お前よりは軽傷じゃん?」


その言葉に一気に安堵する。


それと同時に、あの時の亜希の姿がフラッシュバックした。


「亜希は?」


「あぁ、大丈夫だってさ。ちょっと頭打ってるみたいだけど……他の病室にいるって」


さっき看護師の人に聞いた、と良平は言った。



「そっか……」



俺の気を落とした返事の後、しばらくお互いが無言になった。



「居眠り運転だってさ、相手のトラック。お前が避けなかったら、これじゃ済まなかったかもな?」



少しの沈黙のあと、良平はフォローでもするようにそう言った。


でも事故に遭って、今こうして三人が病院のベッドに横たわっている。


その事実に、責任を感じないわけがなかった。



「……ごめんな」



謝罪が静かな病室に響く。



ごめんなんて言葉じゃ足りなすぎる。


でも、それ以外に言葉が出てこない。



「謝んなよ、相手が悪かったんだしさ。たいしたことなかったんだから。運だよ、運」



明るく振る舞う良平に、俺は返す言葉が探し出せなかった。