「……っんげ」



なにっ?! 


俺の妄想的中?!



ペースも落とさず走り続けてきた俺の足がぴたりと止められる。


俺の目に入ってきたのは秀の姿。


この位置から五十メートルは離れてるけど、目のいい俺にはシルエットだけで認識可能だった。



でも、妄想ははずれたらしい……。



亜希の姿は無く、秀は一人でどっかに行くところみたいだ。


背後の俺に気付くことなくどんどん歩いていく。



亜希に……会うとか?



急ぎっぷりからしてそんな予感がした。



ちょっと一喝……

入れてやっかな……。



そんなことをちらっと思った。