「あのね……付き合うって、何?」


「へ? 付き合う?」


「うん。付き合うってことは、どういうこと?」


「それって……男と女が、ってこと?」


「うん」


「どういうこと、ねぇ……」



何でそんなこと……。


漫画の影響か?



「付き合うって楽しいの?」



そう訊かれて、俺の頭に尋乃の顔が浮かんだ。


思い返してみても、楽しかったか正直わからない。


申し訳ないけど、そんな感想だった。



そう思うと、俺はやっぱり結果的に彼女を傷付けたわけだ……。



「楽しいかは……気持ちの問題なんじゃん?」


「キモチ?」


「付き合うとかって、好きだってお互い思わないと、成り立たないっつーかさ……」



ちゃんと答えてみたものの、亜希は小首を傾げて理解に苦しんでるみたいだった。



「あ、何か難しいこと言っちゃったな? ごめんごめん」


「ううん……」



亜希は横に首を振りつつまだ何か考えてるみたいだった。