「…帰ろ。ん」



田代に手を振り終えた中川の方へ手を差し出すと、2回ほど頷いてそろそろと手を重ねてきた。


特に話題もないのに、会話はとぎれなくて、背を向けるその瞬間まで、気まずいなんてことはなかった。


むしろ、落ち着いた時間だったとおもう。