クラスに戻ると、日野センセーが全員分のジュースを奢ってくれた。


その場ですぐに祝勝会ムードになる。



「おつかれ」


「おつかれさま」



中川に声をかけると、はにかんだように笑って返してくれた。



「あ、の、借り物競争のとき、ありがとう」


「あー。別に礼言われるほどのことじゃねーし。

まあ、役に立ったんならナイキ履いてきて良かったわ」


「あはは…!…そうだね」



中川は楽しそうに笑ってくれた。


気のせいじゃなければ、確実に距離は縮まってるはず。