女子は女子でシェアしてるみたいで、退屈じゃなさそうで何よりだった。


どんぶりがカラになり、ふと前の中川を見ると、箸が動いていない。



「……マズイ?」


「え?あ、いえ。美味しいです。すごく」


「ん、じゃあ多かったか。いらない分ちょうだい」



俺のカラのどんぶりを中川の方に持っていくと、最初意味が伝わらなかったのか、固まっていた。


2秒くらい経ってから、遠慮がちに麺とスープを俺のどんぶりに移動し始めた。



「…ありがとうございます」


「いーよいーよ。腹減ってたし。つーか、敬語じゃなくていいし」


「え、…でも」


「席隣だし。これからも話すっしょ。敬語の方がめんどくない?」



麺をすすりながらそう尋ねると、中川はしばらく考えて。



「………うん」



小さな声でそう答えてくれた。