―――春。


世間一般的に、

芽吹きの季節であり、出会いと別れの季節。


俺にとっては、

あいつと出会い、永遠の別れをした季節。


今でも思い出す。


もっと、そばに居たかった。


彼女の言葉に、気持ちに、想いに、

気づけなかった自分が不甲斐ない。


口ベタ、人見知り、言いたいことが言えない。


そんな消極的な彼女だからこそ、

俺が気づいてやらなきゃ、ダメだったのに。


でも、彼女は俺のことを分かっていたかのように


最期に手紙と日記をくれた。


ずっと、ずっと、好きだ。


お前を、ずっと愛してる―――。