「そうだな。 逆に俺は両親が離婚してて。」 突然市本さんがそんなことを言い出す。 「…そうなんですか。」 「…ああ。 母親が働きづめて俺を育ててくれた。 朝から晩まで仕事で、母親の手料理もろくに食べたことがなく育ったから、こういうの憧れるんだ。」 知らなかった。 「私、これからも作ってきますよ?」 「ありがたいけど、さすがにそれは甘えすぎだから遠慮しとく。」