「俺の好きな味。」 市本さんはそう言って美味しそうに玉子焼きを食べる。 「良かったです。」 「料理本当に得意なんだな。」 「両親に幼い頃から家事は叩き込まれましたから。 勉強はできなくても、生きていく力はつけなさいって言われて育ったんです。」 成績よりも、掃除などの身の回りのことを厳しく言われてきた。 「良い御両親だな。」 「たまに過保護ですけど…、でも、こうして私の料理が市本さんに喜んでいただけるなら両親に感謝しないといけないですね。」