「相澤?」



展示場に着いて辺りを見渡していると、市本さんか私の名前を呼んだ。



「…一瞬誰だか分からなかった。」



実は思いきってワンピースを着たりしている。



「私も分かりませんでした。」



市本さんは白ののリネンシャツとネイビーのコットンパンツというコーディネートだ。



スーツのときとは違って、普段より幾分か若く見える。



「…似合ってます、私服。」



「知ってる。」



どんなに私服が格好よくても、中身は相変わらず市本さんだった。