金曜日の午後。 案の定昨日も市本さんを誘うことはできなかった。 「遥ちゃん、もう誘えた?」 話しかけてきたのは矢島さんだった。 「…。」 何も言えない。 「だろうね。 ってか、浩輔のやつ今日一日出張でいないもんな。」 そう。 市本さんは今日会社に来ていないのだ。