「え、もしかして本当に意地悪されたとか?」 落ちたプリントを広いながら訊ねる。 「…されてないですよ、大丈夫です。」 キスの記憶が鮮明に浮かんで、熱を帯びる。 「本当に大丈夫?顔赤いよ。」 「大丈夫です。 すみません。」 「ならいいんだけど、…遥ちゃん今週の土曜日空いてる?」 矢島さんは、突然私に聞いてくる。 「浩輔とデートしてきなよ。」