『うん。ちょっと色々あってね。あとで話す。』 「わかった。じゃああとでね。」 電話を切って、現実に戻される。 「…もうそろそろ時間ですよね?行きます?」 勇気を出して尋ねてみると市本さんは頷き、立ち上がって、水井ホームのビルに向かって歩き出した。 ────────── 「秋の連休に合わせて、カップルや家族に向けた展示にしたい。」 水井ホームの担当者が言っていた。 「カップル向けか…。」