「…ば、ばか、なに言ってるの?」



私は慌てて言い返す。



「いや、見せつけてやろうと思って。」



浩輔が見ている方を見ると、矢島さん、皆川さん、上野くん、という例のメンバーが入り口の隙間からこちらを覗いている。



それでようやく私は浩輔が突然あんなことを言った意味を理解した。



「…俺らには構わず続けて?」



矢島さんがそんなことを言う。



「気になるなら、初めから聞けばいいじゃないか?」



矢島さんに向かって浩輔が言う。



「遥ちゃんのこと好きすぎて、名前ですら呼べなかったやつがそんな偉そうな口叩くなよ。」