市本さんは私がシートベルトをつけるのを確認すると、車をコインパーキングから出した。 「…さっきのこと聞かないんですか?」 「話したいなら聞いてやってもいい。」 「…さっきの、勇馬は元カレです。 市本さんとコンビ組む前に私のクライアントだった会社の担当者でした。」 「そう…。」 「私、その頃から相変わらず仕事一筋で、デートよりも仕事が優先で、きっと勇馬のこと傷つけたんだと思います。」 “お前みたいな女、誰も欲しいと思わない。” それは、勇馬が私に向けて言い放った終わりの言葉だった。