“お前は俺のお陰で仕事できてるんだ、感謝しろよ。” あのときの言葉がよみがえる。 「なに? この人、今の彼氏?」 「…。」 突然の勇馬からの質問責めに混乱して、何も言えないでいた。 「展示場に来るってことは、結婚でもするとか? ははっ、俺とは同棲も嫌がってたのにな。」 「…それはっ、」 それは、同棲を始めたらきっと勇馬は私から仕事を遠ざけると思ったから。