男子との待ち合わせ場所は
駅ビルの中に入ったカラオケで
あたしたちが向かうと
既に同じ高校の制服を着た4人組の男子が
受付の前にいた
「お待たせ~」と先陣を切るリコちゃんの後に続くと
思わず「あっ」と声を上げてしまった
でも声を上げたのはあたしだけじゃなくて
彼も。
そう、忘れもしない昨日の彼
そんなあたしたちを見て
「えっなになに知り合い!?」と嬉しそうに
リコちゃんが近寄ってきたから
なんて言おうか...と迷っていると
「まぁちょっとな」
と彼がさわやかに笑うから
周りの男子たちも茶化し始めた
「何よ~まぁ、せっかくだし入ろう!」
8人で入ったワンルームは大きなテーブル1つを
ソファが囲んでいて
適当に入った順で座っていると
咲菜の後の
あたしが最後に入ったと思っていたら
その後ろには彼がいて
また昨日と同じく最後までドアを抑えてくれていた
優しい...人なんだな
あたしが軽く頭を下げると
うんうんと彼は笑顔で微笑んだ
「さて!まず軽く自己紹介しようぜ~!」
彼とは逆の一番端の男子がマイクをつかつて
司会者風に話し出すと
リコちゃんたちは「イェーイ」と盛り上げた
...やっぱ慣れない...かも
なんて軽く身を引いていると
ふと視界に入った左で彼が手をたたきながら笑っているのを見て
あ、こんな感じでいいんだと一人で安心した
男子はみんなサッカー部らしく
司会のヒロくん、やんちゃな感じのケントくん、八重歯がチャームポイントらしいヒカルくん
そして女子も一通り終わり、いよいよあたしの番
マイクを渡されゆっくり立ち上がると
控えめに「相羽はるです、帰宅部ですよろしくお願いします」と言って
緊張したから急いで椅子に座った
それでもみんなは
「はるちゃんよろしくー」と盛り上げてくれた
...やっぱりそれでも苦手だ...こういうの
