我の弱点はこの森から出れないことじゃ。


別に不便ってことではない。

けど、大切な人がまたいなくなったら・・・と思うだけじゃ。

自分自身、このことに不満はない。


が、真琴が来たのは予想外。

あの、時間帯、我の妖怪たちが誘うのは知っていたが、真琴とは思わなかった・・・。

ちょっと、すまんことをしてしまったのぅ・・・。


「つくも神、お客がお見えです」

「ああ」


見えてきたのは、お札が顔についてて誰なのかが分からない少女。

少女と言っても二十歳ぐらいだろう。


「あ、の・・・えっと、あた・・・じゃなくて。我は、今日で二十歳です。お札をとってもよろしいでしょうか」


・・・・・・


別に、変なことではない。

通常通り、つまり普通。


「・・・・・・よろしい」

「あ、ありがとうございます・・・!」


少女・・・いや、彼女は嬉しそうに神社の中を出て行った。