「てか、あんた誰?」


闇夜の姿を見て、成瀬君は疑問を抱く。

なぜなら、闇夜さんは現代ではありえない(そんな服を着ている人はいるが、普段では着ない)服をを着ていたからだ。


それは、なにかというと・・・。

クロに紫かかった巫女さんのような髪に黒と赤が基調とされた袴のような昔の服装。それに、目は月のような淡い黄色だった。


「わ、我は・・・お前たちで言う”闇夜”じゃ」

「やみ、よ・・・?」

「えっと、マ・・・」

「アハハ!まじで闇夜とかいたのかよ!」

「・・・・・・・・・え?」


意外な反応に少し戸惑っている闇夜さん。

けど、成瀬君はずっとお腹を押さえながら、笑っている。


「―――・・・」


闇夜さんの目は絶望だった。
なにかを、なにかを忘れ去られたみたいな。


「あ、悪い・・・マ・・・君は、ここに迷い込んだのか?」

「え?迷い込んだっつーか、なんかここにいた」

「・・・・・・そ、そうか・・・。じゃあ、森の出口まで連れて行ってやる」

「ありがとさん!それと・・・」

「?」

「俺たち、どっかで会った?」

「・・・・・・我は、初めてだぞ?誰かと勘違いしているのではないのか?」


笑顔の闇夜さん、けど、愛想笑いにしか見えなかったのは成瀬君、ただ一人。


「ここだぞ、さらばだ」

「あ、闇夜・・・」

「なんじゃ?」

「なんで、森から出ないの?」



ニコと闇夜は笑い、口を開いた。


「我は――・・・」