「戸根澤様。」

私は、戸根澤藍と言います。

「朝ご飯ですよ!起きてください!」

「はあい。」

素早くパジャマから制服に着替える。
 制服は、ワイシャツに紺のスカート、ベスト。
 今は、学校に行っていないものの、制服しか服を持っていなかったから。

「早くしてくださいな!」

「待ってぇ!」

 黒い革靴に足を突っ込んで、パタパタと走っていく。