私は耳を疑った。


死ぬって…?


まさか宇佐木さん、私を殺そうとしてる


の…?


少しだけ手の力が強くなる。


「だって、憎しみを受けるってことは、殺さ


れる、って事もありうるよね?だって、そ


の子は何も怖くないって言ったんでしょ?」


「やめ、て…宇佐木さん…っ」


「羽咲を誰かに殺されるくらいなら、俺が殺


す。それで俺も死ぬ。」


「い、や…苦し、い」


一筋、涙が零れる。


すると、力が弱まる。


「…ごめん!やりすぎた!」


「けほっ…大丈夫、です…」


「跡になってない?」


「はい…」


「でも、本気だよ。羽咲が他の誰かに殺され


るなら、俺が殺す。」


「お願いします…」


「ははっ、殺されていいって?」


「はい。宇佐木さんなら本望です。」


「え…」


「だって、愛してるから。」


「!そんなのずるい。」


「えへへ。」


「そろそろ帰れそう?おばあさんが心配する


んじゃない?」


「そう、ですね…」


本当は一緒にいたい…


「…そんな顔しないで。俺だって帰したくな


いんだから。でも、羽咲には帰る場所があ


る。」


「うん。」


…でも。


もし帰る場所がなかったら?


レオン君はどうしているの?