「いいなぁ…」


2人が付き合った次の日。


綾菜ちゃんと時也くんとカフェテリアでお


茶していた。


「何が?」


「私はまだまだ会えそうにないから…」


「あ…ごめんなさい…」


「あ、いいのいいの!私はあの人を愛してる


から。」


「え!?羽咲ちゃん、彼氏がいるの?」


「うん。」


「時也、羽咲さんは彼氏なんてもんじゃない


わ。」


「え?」


「婚約者よ。」


「ココココココココココココココココココ…


婚約者っ!?」


「…うん/////」


「こんなに若いのに?俺らまだ18歳だよ?」


「うん。」


時也くんは質問攻めしてくる。


「だって…もっと青春したいとか思わない


の?だって羽咲ちゃん可愛いからみんな羽


咲ちゃんを放っておかないでしょ?現にチ


アサークルとか狙ってるみたいだし…」


「アハハ…」


「どんな人?写真は?」


「…それは、気になるわね。私も見たい。」


「んーっと…」


私は遊園地デートの時の写真を見せた。


「「かっこいい…」」


2人は声を合わせて言った。


「あ、ありがとう…」


「ねぇ、私この人見たことある。」


「え?」


「ほら。」


綾菜ちゃんはカバンから1冊の雑誌を取り出


した。


「この人。」


綾菜ちゃんはあるページを開き指を指す。


「『世界最高峰のパティシエの大会。優勝者


は日本のイケメンパティシエ、宇佐木 南さ


ん。』だって。」


「…よかった…」


思わず笑みがこぼれる。


「羽咲さん…ここ。」


そこには「宇佐木さんのコメント」が載って


いた。


『僕には日本で待っていてくれている、愛


おしい婚約者が待っています。だから、早


く一流になって、彼女を迎えに行きたいで


す。この優勝は彼女へ近付く第一歩です。


早く会いたいです…』