あたりが静かになる。


私と宇佐木さんに注目が集まる。


「まず…聞いて欲しい。」


「はい…」


「俺、1週間後にパリに行く。」


「え…?」


「修行しに行く。だから3年待って欲しい。」


「…」


「それで、帰ってきたら…結婚して欲しい。」


「!」


「だから、これを受け取って欲しい。」


そこに出されたのは結婚指輪。


「これ…」


「それで、帰ってきたら…」


「嫌っ!」


「え…?」


「指輪、受取りません!」


宇佐木さんが驚いたように目を見開く。


「ちょっと、羽咲…」


愛菜が心配そうに駆け寄ってくる。


「じゃあ、別れる…」


「それも嫌っ!」


「もう!羽咲!わがまま…」


「パリに行って、修行して帰ってきたら、ま


たプロポーズしてください!私の指に指輪


をはめてください!」


「羽咲…」


「わがままかもしれないけど…」


宇佐木さんに抱きしめられる。


「わかった。絶対に迎えに来る。だから、そ


の時まで待ってて。」


「はい…」


「おめでとー!羽咲!」


レオン君がくる。


「よかったね。羽咲ちゃん。」


「結婚式呼んでよ?」


「うん…」


涙がでる。


「大好きだよ、羽咲。」


「私も、です…」