「どこに行くんですか?」


「んー。ちょっとね。」


「?」


そして、しばらくして着いたのが…


「宇佐木さんの、お店?」


「うん。あ、香りは大丈夫?」


「はい。…多分?」


「無理しないで。」


「いえ、宇佐木さんが作り出した香りだか


ら、平気です。きっと。」


お店にはいる。


甘い香り。


でも、不思議と嫌じゃない。


「ちょっと待ってて。」


「はい。」


私は席に座らされ、しばらく待つ。


すると、


「お待たせしました。当店自慢のチーズケー


キです。」


エプロン姿の宇佐木さんがやってくる。


「うわぁ…」


「羽咲の口に合うように、生クリームもヨー


グルトを入れたり、砂糖を控えて見たんだ


けど…食べてくれる?」


「いただきます。」


1口、口に含む。


甘い。


でも、優しい。


嫌じゃない。


むしろ…


「美味、しい…」


ボロボロと涙が出る。


「なんで泣くんだよ~!まずかった?」


私は首を横に振る。


「甘くって、優しくって…宇佐木さんそのも


のって感じです…」


私はもう一口食べる。


「美味しい…!」


「はぁ~」


宇佐木さんはため息をつきながらしゃがみ


こむ。


「宇佐木さん?」


「良かったァ…まずいって言われたら、どう


しようかと…」


「宇佐木さん。」


私は宇佐木さんの頭を撫でる。


「!」


「あ…すみません!嫌ですか?」


「うんん。」


「私、宇佐木さんに出会えて良かったです。


ありがとうございます。」


「こちらこそ。出会ってくれて、ありがと


う。これからも、よろしくね。」