その後。


私は、受験シーズンに入った。


そして、無事に第一志望の短大学に合格。


宇佐木さんも、後遺症は残らず、お店を続


けている。


迎えた卒業式。


『卒業生、入場。』


私たちは、式場の体育館に入る。


いろんなところからすすり泣く声が聞こえ


る。


この1年。


いろんなことがあった。


宇佐木さんに出会い


お兄ちゃんの話をして


付き合い


レオン君とのこともあり


1回は離れてしまったけど


また一緒になれて


優さんに出会って


初めて嫉妬して


須藤さんが現れて


事件が起きて


あんな事になってしまったけど


でも、ちゃんと一緒にいてくれた。


「羽咲ぁぁぁぁっ!」


愛菜が涙で顔をグシャグシャにしながら抱


きついてくる。


「もー!愛菜ぁ~、泣きすぎだって。」


「だっでぇ…ずっと一緒だったのに…」


「大丈夫だよ。これからも、一緒だから。」


「うん、うん…ありがとう。」


ありがとう。


その何気ない言葉に


私も、もらい泣きしてしまう。