「はぁ…」


私は校庭を眺めていた。


「羽咲!どうしたの?」


「私って、子供だね。」


「そうかなぁ。羽咲、宇佐木さんに会ってと


っても可愛くなったよ。」


「可愛くっ!?どこが!?」


「んー。うまく言い表せないけど雰囲気が」


「雰囲気が…」


「表情も柔らかくなったしね。」


そっか…


「まぁさ、あと半年で卒業なんだし。」


「もう半年…愛菜は卒業したらどうするの?」


「んー。結婚でもしよっかな。」


「けけけけ、結婚っ!?誰と!?」


「嘘だよ。仕事かな。」


「そっか…」


「そういう羽咲は?」


「えっと…幼稚園の先生になりたくって。」


「へー。推薦とか?」


「うん。短大に行こうと。」


「もったいないなぁ。羽咲、頭いいのに。」


「そんな事ないよ。」


「へー。でもいいかもね。羽咲ピアノ弾ける


しね。」


「うん。お母さんも幼稚園の先生だったか


ら。」


「そうだったね…」


「お母さんがしてた仕事がしてみたい。」


「そっか…でもお互い忙しくなりそうだね。」


「そうだね。」


「今のうちにいっぱいあそぼーね!」


「うん!」


あと半年。


それぞれの道を歩くけど、


愛菜とはずっと一緒にいたいなぁ。