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気を失っていたのは、ほんの少しの間らしい。

ゲラゲラと笑う声で、あたしは意識を取りもどした。

場所は同じ草むらの中の空き地だ。

五個のLEDライトの光が、あたしを囲んでいた。

みんながあたしを見おろして、あざ笑っているのだった。


「あー、おっかしー」


と、おなかをかかえているのは、清水さんだ。

骸骨の衣装の、顔のところを脱いでいるのは、同じクラスの木田くん。

白い手袋をはめているのは、やっぱり同じクラスの須藤くんと中川くん。

それから……。

ああ、なんてこと。

あたしが片想いしている今岡くんまでいた。みんなといっしょに笑っていた。

ようやくあたしにも呑みこめた。

ドッキリカメラみたいなものだ。

恐怖ダイエット、だなんて言って、クラスのみんなで、あたしをからかって、笑いものにしたんだ。


ひどい。ひどいよ。

おまけに、今岡くんまで……。


あたしはポロポロと泣いた。

泣きながら、やっとのことで立ち上がった。

笑うみんなに背を向けて、草をかきわけていった。

どう歩いたのか、全然おぼえてないけど、気がついたら家に帰っていた。

そして……。




その日から、あたしは寝込んでしまった。