「隣り座っていい??」
あたしは、黙ってうなずいた。

「実はさ、優也の言うとおりなんだ。俺、前から美空のこと知ってた。まぁ名前は知らなかったんだけど。俺さ、高校入学と同時にこの町に引越してきたんだ。そんで、色んな所歩き回ってる時にこの公園見つけて。すげ~気に入ったから毎日のようにここに来てた。」
「うん…」

「そしたら、ある時いつも誰も居ないはずの公園に先客が居たんだ。それが美空。声かけようかと思ったけどやめたんだ。美空泣いてたから。その後も何度も何度も見掛けたんだ。でも、いつも泣いてた。」

あたしを見ないで、空を見上げながら話す帝斗。
「でもさ、その泣き顔がすっごく綺麗だった。綺麗な涙だった。大切な人のために泣いてるんだと思った。そんな美空に憧れてた。絶対俺、そんな風には泣けないって思ったから。」

いつの間にか空を見上げていた帝斗があたしの顔をちゃんと見て話してた。