「行っちゃったなぁ~」

そんなあたしとは真っ反対でのんきな帝斗。

「いつも、ラブラブだよなぁ~あいつら。」

その帝斗の言葉が胸に突き刺さった。

分かってる。

そんなこと。

言われなくても。

優也は、結菜の彼氏でもあり、あたしのお馴染みでもあり

あたしの初恋の人でもあるんだから…

そんなこと、言わないでよ。

「ごめん。帝斗。あたし用事思い出しちゃった。帰るね。」

震えてる声を隠しながら、あたしは帝斗の側を離れた。

帝斗は、何も言わなかった。