えっ?
何故か家の鍵は空いており、不審に思い私は隼翔の顔を見た。しかし、隼翔は気にするでも無く家の中へと入る。この家はもう父のものではない。今は隼翔の物だ。じゃ隼翔は誰かに鍵を渡しているという事。
誰に…
不安のよぎる頭を振り、何があっても隼翔を信じよう。そう心に言い聞かせるも不安で、思わず隼翔の袖を掴んだ。
隼翔はずっと私の側に居てくれるよね
何があっても…
「どうした?」
隼翔の問いかけに首を振り、何でも無いと答えると、隼翔はクスっと笑い、手を繋いでくれた。玄関を入るとそのまま2階へと上がった。私の部屋は私が家を出た時のままになっていた。父がそのまま残してくれていたのだ。
父に預かった鍵で奥の部屋を開け入ると、そこには母の物と思われる洋服やアクセサリーが置いてあった。父は本当に母の事を愛し忘れずに居てくれたのだ。
白いワンピースが壁に掛けられていた。多分母のお気に入りだったのたろう。そのワンピースを着た母の写真が、何枚もあった。
窓際にワークテーブルがあり、その上にはヤットコやニッパーが、置いてある。まるで母が今もアクセサリーを作っているかのようだった。
「蒼海、俺達ここに越して来ないか?」
「え?どうして?」
私達には既に家はある。お義父様にリホームして貰った離れがある。
「お義父さんも退院したら、一人にはしておけないだろ?蒼海が側に居たほうが良いと思うんだ。だから」
「有難う。でもね?折角お義父様が、私達の為に離れをリホームしてくれたんだし、澪ちゃんだって居なくなっちゃうでしょ?私達まであの家を出る訳には」
「澪の事は、まだ俺は許してないからな!何がニューヨークだ!?澪は英語なんて喋れないのに、ひとりで出歩くことも出来ないだろ!?母さんの側に居れば良いんだ!奴がニューヨークで仕事をするなら、一人で勝手に行けってんだ!!」
はぁ…
また、始まったよ…
隼翔の兄バカが

