幼馴染はどこまでも俺様過保護


「とにかく丸く収まったんだから、良かったよね?」

澪ちゃんの言葉に「何がだ!?」と、隼翔がツッコミを入れる。

「だって蒼海ちゃん顔色いいじゃん!無事に済んだんでしょ?違うの?やっぱり痛くて無理だった?」

おかげさまでその件は無事に済みました。
でも、そんな話こんな所で出来ないよ…

恥ずかしくて俯いていると、澪ちゃんは、今度は隼翔に話を振った。

「お兄ちゃんさ?蒼海ちゃんは初めてなんだから、優しくしてあげないとダメだよ? あっ…まさかと思うけど、勃たなかった…の?」

「ちっちっげーわ!勃ったし!ちゃんと蒼海をイカせたし!!」

隼翔は馬鹿でかい声で、馬鹿正直に答えた。

そのお陰で、ラウンジに居たお客さんや従業員だけじゃなく、ロビーに居た全ての人達の視線を集めた。

「…………」

隼翔のバカ!
恥ずかしくて、もうここには来れないじゃん!
来年からの創立記念パーティーは、他のホテルに変えるようにお義父様にお願いしなきゃ…

なら問題ないじゃんと言う澪ちゃんに、隼翔は問題は大有りだと言う。

「男とホテルに泊まるってどういう事だ!俺はそんな娘に育てた覚えは無いぞ!?絶対許さんぞ!!」

ああ…始まっちゃった
隼翔の兄馬鹿が…

「私達結婚するから!あっ別にお兄ちゃんに許してもらわなくても良いよ!お父さんにはもう許してもらってるから、ご心配無く!」

「なっ何!?」

「それから、私、来月からニューヨークに行くから!彼が向こうで仕事するから、私付いて行くことにしたの」

「えっ?澪ちゃんモデルの仕事辞めるの?」

「ううん。向こうでモデルの仕事するつもり、彼を側で支えながらね!お母さんも彼の事は昔からよく知っていたから、賛成してくれた。澪の選んだ道なら応援するって」