幼馴染はどこまでも俺様過保護


「話は澪に聞いた。蒼海が見た人は蒼海が思ってる様な関係じゃない。あの人は仕事関係の人、誤解しないでくれ」

仕事の関係の人?
でも…

「蒼海を抱かなかったのは、蒼海を嫌いになった訳じゃないんだ。あの日蒼海に拒まれたのはショックだった…」

やっぱり私がいけなかった。
私が拒んだせいで…

「ずっと蒼海が好きだった。やっと手に入れた蒼海を抱ける、嬉しくてガキの様に舞い上がってた。蒼海が初めてなのは知っていたのに…ちゃんと優しくしてやらなきゃいけないのに… ごめん。俺は…」

隼翔は苦しそうに、自分を責めるように言葉を続ける。

「蒼海が言った様に俺は初めてじゃない。学生の頃は付き合った女も寝た女もいる。それは…なんと言うか…男には抑えられないものがあって…」

隼翔…

「でも、俺が好きなのは蒼海だけなんだ。愛してるのは蒼海だけ、守りたいと思うのは蒼海だけなんだ。今までも、これからもずっと蒼海だけなんだ!信じて欲しい…」

「隼翔。もう良いよ」

隼翔の気持が聞けて嬉しい。
私はずっと隼翔に守られて来たんだよね。

隼翔は私をずっと想ってくれていた。
自惚れじゃなくて…
本当に私を愛してくれてる。

今は隼翔が欲しい。
隼翔に愛してほしい。
身も心も、たくさん愛してほしい。

私達は互いを温めるように抱き合い、互いの愛を伝えへ、冷えきっていた体からは湯気が上がり、互いの体が熱を帯びているのが分かる。

「蒼海、ちょっと辛いと思うけど我慢してくれるか?」

「うん…」

未知の世界への恐怖は変わらずある。
でも隼翔となら何も怖くない。
隼翔を信じよう。
私を誰よりも愛してくれる隼翔を… 

私達はその夜、本当の意味の初夜を迎えた。