幼馴染はどこまでも俺様過保護


「ねぇ蒼海ちゃん、今から出かけよう!」

「え?」

澪ちゃんはとんでもない事を言い出した。

「お兄ちゃんが浮気してるなら、蒼海ちゃんも浮気すれば良いじゃん!」

「ちょっと待って!何言い出すの!?私に浮気なんて無理!」

「じゃさ、浮気じゃなくて、1回だけ他の人とエッチするの」

隼翔が浮気してるから私も浮気するなんて私には出来無い。1回でも2回でも、知らない人とエッチするなんて無理!

「蒼海ちゃんは、お兄ちゃんの事嫌いな訳じゃなくて、初めてだから怖くてお兄ちゃんを拒んだんでしょ?だったら、処女を捨てちゃえば良いんだよ!どんなものか知ってれば、怖くないでしょ?その後蒼海ちゃんの方からお兄ちゃんに誘えば良いんだよ?処女を捨てた事なんて、黙ってたら分からないからさ!」

拒む私に澪ちゃんは無理矢理メイクをした。鏡に映る私は余りにも普段の私と違い過ぎる。

「澪ちゃんこれは…」

「大丈夫!これくらい派手にした方が、男が寄って来やすいからさ!」

男が寄って来やすいって私に何をさせるの?

私は澪ちゃんに恐怖を感じた。なんだか、私の知ってる澪ちゃんじゃないみたい。

澪ちゃんが用意してくれた服に着替え、澪ちゃんとホテルのバーへ向かった。お酒の弱い私は、澪ちゃんの頼んでくれたノンアルのカクテルに口を付けながら、声を掛けてくれる男の人を待った。何人かの男性に声を掛けられたが、なぜだか全て澪ちゃんが断っていた。