幼馴染はどこまでも俺様過保護


今日も隼翔は遅いのだろう。今日はもう食事を作って置いとくのは辞めよう。どうせ食べて貰えないのだろうし…
もしかしたら帰ってこないのかも知れない。

そんな事を考えていると、突然、電気がついて私は眩しく目の前に手をかざす。

「蒼海ちやん、どうしたの?電気も点けずに?車の音がしたから、蒼海ちゃんが帰ってき…蒼海ちゃん?」

止まっていた涙が澪ちゃんの顔を見たら、また溢れてきた。

「ごめん…何でも無い」と顔を背けたけど、澪ちゃんは話してと言って私の隣に座った。

初めは話すつもりは無かったが、澪ちゃんが心配してくれて、話してくれるまで離れないから、と、言う澪ちゃんに私は全てを話した。

「えっまだしてないの?」

恥ずかしい話だが、籍を入れた日、拒んでから一度も求められていないと話した。

「私…スタイル良くないし、色気も無いから…」

「そんな事ない!」

「ううん…あの女(ひと)を見て分かったの… 隼翔には私ではつりあわないんだって… でも…それが分かっても、何処にも行くところ無くて… 私にはここしか帰る場所がなくて… 結局帰って来ちゃった…」

「蒼海ちゃん…」

「ごめんね、心配かけて… でも、話したら少し楽になった」

頑張って笑って見せたが、無理して笑わなくていいからと澪ちゃんに言われてしまった。

「私、お兄ちゃんが浮気してるなんて信じられないけど、こんなに蒼海ちゃんを悲しませてるお兄ちゃんは許せない!」

私の為にそんなに怒ってくれて…有難う。澪ちゃんだけでも私の気持ちを知ってくれてるだけで、それだけで良い。