私達は別々の部屋を使っている。隼翔は今迄の自分の部屋を、私はアパートを引き払い、アクセサリーを作る為に、お世話になったいた部屋をそのまま使わせてもらっている。だから寝るのも別で、パーティーの時キスをして以来何もしていない。
確かに私達夫婦になったんだもんね、そういう事しても良いと言うか…当然なんだよね…
ホテルの部屋に入ると、緊張と恐怖で気分が悪くなって来た。隼翔の顔が近くなり唇がふれる。
「あっ、さ、先にシャワーして来る」
隼翔の胸を押しやりバスルームへ向かおうとしたが、隼翔に腕を掴まれ阻止された。
「待てない。このままでいいから」
ベットに押し倒され、隼翔は唇に、首筋にと唇を這わせていく。ブラウスのボタンを外され、隼翔の唇は首筋から胸元へと下りて行き、ブラの上から膨らみを手のひらで包んで、ゆっくりと揉んでいく。
どうしよ…本当に気持ち悪い…
いや…
「隼翔、ごめん…出来ない」
隼翔は止めることなくブラをずり上げ、その先端に舌を這わせる。
「いや!隼翔やめてイヤ!」
私は隼翔の頭や体を叩いて拒んだ。
「蒼海!おいヤメろ!俺達夫婦なんだぞ!するの当然だろ?」
当然…
「………」
隼翔はスカートをたくし上げ、ショーツに手をかけ中へと指を入れてくる。
「本当に止めて!気持悪いの…」
「ハァ!?俺とするのが気持悪いのかよ!?」
違う…
そうじゃないの…
そうじゃなくて…
「隼翔は他の女(ひと)とした事あるだろうけど、私は初めてなの!結婚したんだから当然かも知れないけど…私にとっては当然じゃないの」
「そうかよ!じゃ、良い!」
隼翔はホテルの部屋を出て行ってしまった。
隼翔…
怖いの…
分かって欲しい…
隼翔を暫く待っても戻っては来てくれなくて、私はひとりタクシーで桜小路家へ帰った。

