隼翔は子供の頃からずっとそうだった。
でも、全てが私の事を思っての行動だった。

私はずっと隼翔に守られて来た
隼翔は私をずっと想ってくれていた
自惚れじゃなくて
本当に私を愛してくれてる

「私、家族が欲しい。隼翔が欲しい」

「やっと言ったな?」

隼翔は嬉しそうに微笑んでくれた。

優しく唇が触れ合い少し離れたと思うと直ぐに上唇、下唇と啄むようにキスをされ、少しの隙間から舌が入ってきて私の舌を絡め吸い取る。

「ん……ぁ」

唇を離すと見つめ合い。互いを愛おしく思っていると大きなため息が聞こえてきた。

「私を忘れてませんか?」

「「あ!」」

「もうー、お兄ちゃん達のラブシーンなんて見たくないから!」

澪ちゃんは笑って乾杯しようと、シャンパングラスを渡してくれる。

「ありがとう。あっ私もジュースが良い」

澪ちゃんの持っていたジュースが良いと言うと、不思議な顔をされた。

「蒼海ちゃんシャンパン嫌い?」

「……私、アレルギーがある見たい」

前にお酒を飲んで体に赤い発疹が出た事を話した。

「えー!それ蒼海ちゃんが林さんと、合コンに行って酔い潰れた時だよね?全身に出たの?」

「ううん、この当たり…胸の当たりだけ」

私が胸に手を当てると、澪ちゃんが大笑いする。

ん?何がそんなに可笑しいの?
私なんか変なこと言った?

「それ、アレルギーじゃないって!キスマークだわ!ね? お・に・い・さ・ま! プッアハハハ」

澪ちゃんは隼翔の腕をバシバシと叩いている。隼翔はバツの悪そうにそっぽを向く。

「えっえっ?!キスマークって?」

「だ・か・ら!」

澪ちゃんは隼翔が付けたと言う。

嘘…

「し、仕方ないだろ!好きな女の裸見たら、抱きたくなる!遣りたくなるに決まってるだろ!?」

抱きたくなる…

「や…遣りたくなる??ハ・ヤ・ト!?」

隼翔は未遂だ!と、悪びれる様子もなく言う。

「馬鹿!!」

私は隼翔の足を思いっきり踏んで控室を出た。