幼馴染はどこまでも俺様過保護


パーティの前日、作った物を会場となるホテルへ搬入する。私の作った物が会場の中央のガラスケースに並べられ、恥ずかしいような、嬉しいような、ちょっと複雑になる。

明日のパーティは各店舗からの応援と本社の人間とで、お客様をお迎えする。

「お疲れ様です」と林さんが声を掛けてくれる。

林さんは会場作りのお手伝いに来ていたようだ。

「お疲れ様」

「城之内さんが居ないから、お昼寂しいですよ!仕事休んで何してたんですか?」

どうやら林さんは、私がmiu-la-umiだとは、まだ知らないようだ。隼翔も本社の人間の一部にしか、私がmiu-la-umiだとは話していないと言っていた。

「うん…ちょっとね」

「やっぱり、副社長って凄いですよね?あの話題の人miu-la-umiを探して口説いちゃったんだから!」

「うん…そうだね…」

正確には、バレたと言うのが正しい。それに口説かれたと言うより、強引にと言うほうが正しい。

「明日はmiu-la-umiさんも見えるんですよね?副社長の婚約発表も有るし、楽しみだな」

あはは… 楽しみか… 

隼翔の婚約発表はともかく、私がmiu-la-umiと知ったら、林さんどう思うかな…

私は横に居る林さんを横目に見て、内緒にしてることに罪悪感を覚える。

「ところで、明日も林さんはお手伝い?」

「はい、受付をする様に言われてます」

私は何も言われてないが、多分毎年の様に、顧客の名前の全てを把握してる私は、受付をする事になるだろう。

「じゃ、明日は一緒だ?頑張ろうね」